テクニカルへの道(T島初受験編)

足立区スキー協会会員のT島です。2016-2017シーズン4月、テクニカルプライズ検定に挑戦してきました。人生初のプライズ受験。玉砕覚悟で挑んできました。少々長いレポートですので時間がある時にでもお読みください。

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会場  ハンターマウンテン
受験日 4月9日

主管  栃木県スキー連盟
受験者 クラウン 8名  テクニカル 18名
天候  午前中は雨 午後から曇り スキー場上部は濃霧
使用バーン
大回り、小回り、総合滑降:レキシントン・アベニュー(ポールバーン)
不整地:FDR

午前中、雨の中事前講習を受講。グローブもぐっしょり濡れるほどの雨。
担当講師からは、全ての種目で「スピード」、不整地以外は「切り替えでの低いポジション」を見せるように
と講習を受けましたが、自分がどこまで出来ているのか、担当講師の言葉から判断することは出来ませんでした。
自分の滑りよりも、とにかく担当講師の次元の違う滑りを目の当たりにして圧倒されました。

12時50分、全受験者がスキー場の一番上(ウォールストリート上部)に集合。
予定ではこの集合場所から3種目行われるはずが濃霧のため検定バーンは変更。
レキシントンというシーズン中はポールバーンとして使用されている斜面に移動しました。
スタートはクラウン受験者の後にテクニカル受験者の順で、それぞれでローテーションをしながら進行。
前走はクラウンで1名、テクニカルで1名でした。

大回り
ポールで使用されていたのであろうスタート台がゲレンデ中央にあり、そこからのスタート。
スタート直後は緩斜面、その後中斜面に落ち込む設定。
バーンはシーズン中の硫安のおかげか、春スキーにしては良い状況で、
雪は重いもののターン中に足場が崩れることはなく、予想していたよりも
板の走りは良かったです。
スタート後、クローチング組んだまま左へプレターン、その後右へターン…
後は頭が真っ白で、気がついたらゴール地点を通過してました。
自己評価
テク初受験最初の種目で大緊張。この滑りで何点なのだろう?
何かを意識して滑った感覚が残ってません。
ということで、勝手に74点と判断。

総合滑降
大回りと同じスタート台からのスタート。
ゴールは大回りより下げた位置に設定してありました。
大回りと同じ要領でクローチングのままプレターン。
2ターンしてギルランデを入れ、後は中回りに近い大回りを数ターンでゴール。
自己評価
切り替え時の低いポジションを意識して滑ることはできた。
途中2ターンほど切り替え後の外足と体全体が軽くなった気が。
これがジャッジにどう映ったか不安。
希望的には75点だが、そんな甘くはないか。おそらくこれも74点?

不整地
雨と高温のお陰で柔らかくなるなと思ったら誤算。
春らしく壁にはグサグサの雪がたまっていたものの、コブ裏と底は硬く、そして深い。
事前講習では「ぜひスタートで漕いで積極的に」とのこと。
無理です!事前講習で積極的に行ったらトップが刺さって大転倒しました。
スタート位置はトップから数十メートル下がった所で、スタートから深いコブ。
選んだラインは上から見て左から2番目。ピッチは少々細かいが一定のリズム。
大きく回し込んでスタートしたものの、数ターンでラインは細くなり、半分ほどクリアしたところで
エグれたコブに弾かれ痛恨のラインアウト。1ターンでラインに戻り、あとは無心で全力滑走。
自己評価
転倒は免れたものの、痛恨の破綻。
これは間違いなく73点を覚悟。

小回り
レキシントンに戻って、中斜面になるところからのスタート。
全力漕ぎ出しのスタート後、右へ大きめのプレターンを入れてショートターンを開始。
途中、板の抜けが良すぎて飛ばされた感じがあり、滑走ラインが少しずれてしまいました。
自己評価
低い姿勢をキープしたつもりでしたが本当に低くなっていたかどうか。
大抵の場合、思ってるよりも低くなっていないことが多いことを考えると
多分74点。

15時過ぎに全種目終了。結果発表までの時間、不整地にリベンジしに行ってみましたが
途中で足が動かなくなり1本で止めて着替えることにしました。

16時半、結果発表です。まずは現地スクール校長で今日の主任検定員の足助校長から講評。
「荒天の中、バーン変更で中斜面の設定でしたが・・・」
正直ここまでしか頭に入りませんでした。
講評後いよいよ合格者発表。
クラウンは合格者ゼロ。これが聞くところによるクラウンの厳しさなのでしょう。
「続いてテクニカル。3名合格です」(おぉ!3人も出ましたかー)
1人目は、滑りからアルペンをやっているであろう、お父さんと来ていた中学生でした。
ゼッケン順にいけば私は3つ後。でも期待なんかしてませんよ。何せ自己評価では
大幅なマイナス。
少なくとも不整地で破綻したマイナスはあるのだから所詮無理なものは無理です。

「ゼッケン154番、T島◯○さん」???  私?? 呼ばれた??

ウソだ。なんで呼ばれたの?不整地で破綻してるんだよ!
続けて3人目が呼ばれ、前に出るよう言われ、促されるように席を立ちました。
足助校長から合格証とバッジが手渡され握手。頭の中は混乱状態でした。
結果発表終了後、事前講習の担当講師に話を聞くと「リカバリーですよ。それと他の種目でカバーできていればいいんです」
と言われましたがまだ???
とりあえず、お礼を言い、部屋の外に貼り出された点数表を見に行って驚きました。
大回り:75 小回り:75 不整地:74 総合滑降:76!

score
破綻した不整地は74、そして何ということか加点があります。

運が良かったのか、天候に助けられたのか。自分の実力以外の何かで合格できたような気がしました。
複雑な心境です。しかしどんな形であれテクニカルホルダーになってしまったわけです。
恥ずかしくないようこれからも研鑽していこうと思います。

最後に、会長をはじめ今シーズンアドバイス頂いた協会の先輩方々に感謝致します。シーズン中はプライズを受験するとは言ってませんでしたが、色々とアドバイスを頂きました。どのような立場になっても研鑽し続ける協会の雰囲気があるからこそアドバイスを頂けたと思います。そのおかげで今シーズン結果を出すことができました。ありがとうございました。そしてこれからもどうぞよろしくお願い致します。

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